認知症になったらどんな施設に入居すればいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。グループホームは正式名称を『認知症対応型共同介護』といい、まさに認知症の方のための施設と言えます。
そこでこの記事ではグループホームの特徴や料金、メリット・デメリットについて紹介します。
65歳以上で要支援2〜要介護5までの方、または65歳未満で若年性認知症・初老期認知症と診断されており、要支援2〜要介護5までの認定を受けている方が対象です。
グループホームは法律で地域密着型サービスと指定されているため、施設と同じ市町村に住民票があることが条件です。医師から認知症の診断を受けて、在宅での介護が不十分になりそうであれば、グループホームを探してみるといいでしょう。
グループホームに申し込みをするにはいくつかの書類の準備が必要です。以下はとある施設の一例です。
入居までには医師が発行した診断書も必要です。手元に揃うまでに時間がかかるものもありますので、日数には余裕を持っておくとよいでしょう。
認知症の方が多くなった昨今、グループホームの需要も増えています。そのため、待機者も増加しており、それにしたがって待機期間も長くなっています。2019年で待機者がいると答えた事業所は全体の60%以上、待機者が5名以上いる事業者は28%以上となっており(※)、入居までに待機時間が発生するのは避けにくいと言えるでしょう。待機している間は、ショートステイやデイサービスなどを利用して、過ごしている方も多いようです。
グループホームの介護スタッフは、3年以上の認知症介護に従事した経験がある方です。日中は3:1の割合で介護スタッフが常駐し、夜間はユニットごとに1名が担当する施設が多いです。
また、ケアプランナーもユニットごとに1名が配置されるのも義務付けられています。受けられるサービスは以下の通りです。
グループホームでは食事・入浴・排泄の介助は、スタッフが全面サポートをするのではなく、軽く手助けをしできるだけ入居者自身が行うよう促します。自立した生活に向けて入居者にとって本当に必要なサポートを行っている施設ですので、安心できる生活が手に入れられるでしょう。
ここまでグループホームがどんな施設なのか概要をご紹介しました。自分がどの施設が向いているかわからない方はまず、老人ホームにどんな種類があるのか知ることが大切です。トップページでは老人ホーム種類を一覧で解説するとともに、豊かなセカンドライフを送ることができる介護付き有料老人ホームを3社掲載しています。人生100年時代に備えるためにも、ぜひチェックしてみてください。
グループホームでは看護師の配置義務はありません。原則、医療ケアの提供はありませんが、現在では多角的な介護を行う看護師を配置しているグループホームは多く見られます。服用チェック・バイタルの管理・通院介助など最低限の医療的サービスを提供し、積極的な医療ケアは行っていません。
緊急時は協力病院から24時間体制で看護師や医師の派遣要請が出入ることが義務付けられており、看護師1名の配置が加算対象となっています。医療対応の内容は本人、または家族の同意が必要ですので、必ずケアプランの作成が必要です。
ただ、ニーズの変化に伴い、また医療加算の観点からも本格的な医療をおこなっている施設も増えつつあります。医療ケアを必要とする場合も入居することができますので、スタッフに相談してください。
グループホームでは認知症の進行を抑えることや、入居者の能力の維持が目的です。そのため、食事の支度はスタッフと入居者が協力して作ります。メニューやレシピも入居者が考える施設もあり、能力維持のためには効果的と考えられています。スタッフや他の入居者と一緒に調理をすることでコミュニケーションが図れるメリットもあります。
グループホームのレクリエーションは入居者の能力維持や意欲を引き出すこと目的を置き、実施されます。そのため、近隣のスーパーに買い物に出かけたり、家庭菜園を楽しんだりといったことを行なっている施設が多いです。
また、アメリカの精神科医が開発した『回想法』といった認知症に有効なプログラムを採用しているケースも多く見られます。『回想法』は過去の記憶をたどり、感情の追体験をするといったものです。
賃料は立地条件や施設の広さで異なります。管理費は施設を管理するために必要な料金で、施設によっては水道光熱費や設備費などを含む場合もあります。
また、雑費は職員の人件費と考えられます。基準以上にスタッフを配置している施設では高くなる傾向にあるでしょう。
基本料金以外では介護サービス費が必要です。介護サービス費は加算分を除外すれば、介護度によって金額が決まっています。介護サービス費の一覧表などで確認をしておけば予算を立てるのも容易です。
そのほかでは看取り加算・認知症ケア加算・医療連帯体制加算・生活機能向上加算などあり、それぞれは施設によって加算を受けているかどうかが異なりますので、各施設に問い合わせてください。
介護付き有料老人ホームでも一部施設で認知症の受け入れをしているため、グループホームとの違いが気になる方も多いはずです。ここでは、2施設の違いについて紹介します。
項目 | 介護付き有料老人ホーム | グループホーム |
---|---|---|
入居資格 | 自立者から要介護まで | 認知症の診断を受けた高齢者 |
食事 | 食事は入居者とスタッフで用意 | 介護サービスを利用 |
待機期間 | 人気のため待機期間が生じる | 施設数が多く、待機期間はほぼ無し |
介護付き有料老人ホームは手芸や体操など習い事のようなレクリエーションが多いですが、グループホームではより生活に密着した買い物体験や調理体験を通してレクリエーションとしている施設が多いです。しっかりと内容を比較して、どちらが合っているかを判断してください。
認知症ケアは繊細な部分があるため、専門的な知識が必要です。グループホームは認知症に特化した施設ですので、安心して任せられます。ストレスのない生活を送ることで認知症の進行を遅らせることも期待できるかもしれません。
民間の有料老人ホームでは設備の充実が進んでおり、初期費用が高額に及ぶものも存在します。グループホームは初期費用の安いため、自己負担が少なく入居が叶います。
入居者数が少ないため、スタッフや他の入居者とのコミュニケーションが取りやすいといったメリットがあります。
また、入居者の入れ替わりが少ないので、環境が変わりづらく、そのことが安心して暮らせる要素になっていると言えるでしょう。
高齢化社会に伴い認知症患者が増えており、手厚いサポートが受けられるグループホームの人気は上昇傾向です。そのため、待機期間も長くかかり、すぐに入居したい方にとっては思い通りにならないケースも多々あります。
グループホームは法律で地域密着型サービスと位置付けられていますので、入居は施設と同じ市町村に住民票がある方に限られます。他府県に住んでいる子どもの近くの施設に入るには、一度住民票を移す必要があるかもしれません。
看護師の配置義務がないため、すべての医療ケアに対応できるかどうかは難しいところです。高度な医療ケアには専門知識が必要となるため、協力病院からの往診を待たなくてはなりません。医療ケアのために人員を増加すれば、それだけ管理費が上がることにつながります。
認知症の進行を遅らせるためには変わらない環境と適度なコミュニケーション、家事への参加できる環境など入居者にとってよりよい環境を準備することが大切です。グループホームではそれらを叶えることができ、認知症患者にとっては適した施設と言えます。
そのため、人気も高く、入居希望者が多いことから待機時間が長くなりがちです。希望の施設に入居するためには日数に余裕を持って申し込みを行ったり、ショートステイやデイサービスを利用しつつ待機したりなどの工夫が必要です。
「遠方で暮らす子供に迷惑をかけたくない」「身体が思うように動かなくなってきた…」
人生100年時代と呼ばれる今、介護の負担や高齢者の1人世帯の増加など、課題は多岐にわたります。
そんな悩みを解消してくれるのが、介護付き有料老人ホームで介護サポートを受けながら共同生活を行うこと。
ここでは、必要な介護レベル別におすすめの施設をご紹介。入居先を見極めるための参考にしてください。
(※)深夜の帰宅になる場合は届け出もしくは連絡が必要。