「看取り」と言えば、病院で行われることが一般的でした。しかし、最近では老人ホームなどの施設でも看取り対応可能なケースが増えています。
ここでは、看取り介護についての基本的な情報を確認すると共に、看取り対応可能な施設を選ぶときのポイントについて紹介します。
看取り介護は、余命数ヶ月など死が近づいている人に対して身体的・精神的苦痛をケアするものです。看取り介護を行うことにより、死を迎え得るその日まで尊厳ある生活を送ることが出来ます。苦痛を緩和することを優先する介護です。
死を迎えるまで医療的なケアを行う場合は、看取り介護ではなく終末期医療・看護であるターミナルケアと呼ばれています。どちらも最期まで患者に寄り添うものではありますが、看取り介護と終末期介護は異なる物です。
看取り介護の身体的ケアは、主に以下のようなものが挙げられます。
嚥下機能や食欲が低下していることも珍しくないため、食事は本人の気持ちを尊重してサポートすることが大切です。また、排泄からは健康状態が見えるため、しっかり観察することも求められます。
精神的ケアには、以下のものが挙げられます。
患者が精神的に不安を感じるときには、手を握る、声をかけるといったスキンシップも大切となります。また、患者本人だけでなく家族に対しても丁寧な説明をする、休憩スペースを提供するなどサポートすることが大切です。また、個室であればプライバシーが守られるため、ゆっくり過ごすことが出来ます。
看取り介護は、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどで行われています。このように看取り対応可能な施設は増えていますが、いずれも介護保険法で定められている条件を満たしている施設です。その中から後悔しないよう、信頼できる施設を選ぶためにチェックすべきポイントを紹介します。
死が近づいている終末期の患者は、体調の急変が珍しいことではありません。施設の夜勤や当直体制がどのようになっているのかを確認し、訪問看護ステーションや医療機関との連携についても聞いておくと良いでしょう。また、施設の人員体制を知ることも大切なポイントとなります。
看取りは実績が少なければノウハウも蓄積されていません。実績が豊富な施設は、緊急時の対応にも慣れているので安心し任せることができます。ただし、ホームページやパンフレットなどで看取り実績を知るのは簡単ではないため、施設に直接質問することが必要となります。
施設によって、看取り看護に対する考え方・方針は異なります。入居者、その家族がどのような終末期を希望するか、どのような介護を希望するか、あらかじめきちんと考えておきましょう。そして、その考えに寄り添ってくれる施設を選ぶ事が大切です。看取り介護の方針が違っていた場合、後悔してしまう可能性が高くなります。しっかり質問しておきましょう。
亡くなった後の対応も、施設によって異なります。死亡後に化粧や体のお清めをしてくれる施設もありますし、施設で葬儀・火葬ができるような設備を整えているケースもあります。亡くなった後に色々と確認する時間はありません。あらかじめ、確認しておくことが大切です。
看取り介護は、無理な延命治療を行うことなく心穏やかに最期を迎える患者のためのものです。身体的・精神的ケアが大切になってきますから、施設選びも慎重に行う必要があります。
看取り実績が豊富で看取り方針に納得できること、そして緊急時に対応に不安がないことなどをポイントに、信頼できる施設を選びたいですね。
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ここでは、必要な介護レベル別におすすめの施設をご紹介。入居先を見極めるための参考にしてください。
(※)深夜の帰宅になる場合は届け出もしくは連絡が必要。